概日リズムが健康を促進

なぜ一部の動物は夜行性なのかと疑問に思ったことはありますか?または、あなたや友人が毎晩少なくとも9時間の睡眠を取る必要がある理由は?あるいは、なぜ家族はたった5時間の睡眠で完全にうまく機能できているのか等。

答えはあなたの生理機能にあります。

あなたは独自の体内ロレックスを持っていることをご存知ですか?はい、ちょっと語弊がありました。しかし、あなたの体は時間を保っています。それは生物学的に、体内時計と呼ばれるものです。または科学的に、「概日リズム」と呼ばれます。
健康のためには、よく動く時計が不可欠です。概日リズムの仕組みを発見した科学者たちは、2017年にノーベル医学賞を受賞しました。

体内時計が健康のあらゆる側面に、どのように影響するかを学びましょう。それは適切な睡眠、精神的健康、食習慣、健康的な老化、時差ぼけの厄介な影響、および全体的な幸福を含みます。

 

概日リズムの発見

毎日の生活習慣が、太陽に合わせた1日24時間を中心に展開するのは、ごく当然のようです。しかし、真の概日リズムになるためには、外部の条件に関係なく、サイクルを持続させる必要があります。つまり、すべての外的刺激(太陽の光や目覚まし時計など)を取り除くと、生理機能は、24時間サイクルを中心にしています。実際、完全な暗闇の中で行われた研究により、これらのリズムの発見がきっかけでした。

18世紀から20世紀初頭の研究者は、これらの自然周期が太陽光とは無関係に起こることを発見しました。彼らは、植物が完全な暗闇の中におかれても、まだ約24時間パターンで活動することを発見しました。また、人間や他の動物も、完全な暗闇の中でも、周期的な睡眠および他の生物学的パターンを保持し ていることも発見しました。

この分野の研究が進むにつれて、概日という言葉は1959年に初めて使用され、1977年に正式に採用されました。「概日」(Circadian)はラテン語起源の周る(circa)日(diem)に由来しています。概日リズムは、約24時間のサイクルで発生する生理学的プロセスとして定義されます。

通常、不規則な睡眠覚醒パターンを持っている人において、今も研究は続いています。これには、不規則な時期における疲労や睡眠に問題がある人が含まれます。そしてさらに、自然な24時間時計と戦わなければならない人にも研究は及びます。シフト勤務者やよく飛行機で移動するような人達です。

 

外的な刺激による概日リズムの変動

あなたの生理機能の多くは、オンと(主に)オフの24時間サイクルです。しかし、24時間は厳格なルールではありません。長さは個人で異なりますが、外的刺激を欠けば、これらのサイクルは24〜25時間の範囲です。

日光やその他の手掛かりがなければ、生理学的には1日に約1時間変動します。時差ぼけはこの現象の最良の例の一つです。あなたが旅行したことがあるなら、経験したことがあると思います。タイムゾーンをまたぐ移動で、体が同期するには約1日かかります。

あなたの概日リズムに影響を与えることができる外部の影響がたくさんあります。主な調整役は、太陽の正常な昼夜のサイクルです。しかし、それはほとんどあらゆる種類の光(自然光人工光問わず)も影響を与えます。また、光の欠如は、あなたの時計をリセットするのに役立ちます。

影響を与える他の多くは、同期したり、自然な生活リズムを混乱させるものがあります。睡眠時間、起床時間、食事、運動、老化、旅行などはすべて、あなたの体内時計に影響を与えます。

 

概日リズムが年間の行動サイクルを制御

冬眠を迎える熊が、何によって体重の備蓄に駆り立てられるのか、疑問に思ったことがありますか?または、より個人的なレベルで言うと、なぜあなたは寒い季節の到来で、少し体重を増やしてしまうのですか?概日リズムは、日常生活だけに限定されません。それはまた、食事や季節の変わり目にも関わっています。

あなたが経験するかもしれない他の季節のリズムは、気分や行動の変化です。寒い、暗い、雨の季節は、一般的に疲れを感じるかもしれません。そして、暖かく晴れた季節には、より幸せな気分を感じるする人もいます。移動、冬眠、生殖などの動物の行動も季節的な概日リズムの一例です。

 

概日リズムに依存する健康

多くの研究は、毎日のリズムを混乱させることは、健康における負の影響があることを示しています。一定の睡眠時間、起床時間、食事時間を中心とした、一貫した日常の生活に留まるのは、良い影響を与えます。

自然な概日リズムを守ることは、総括的な健康と幸福のために重要です。概日リズムは就寝起床サイクル、ホルモン放出、消化、正常な血圧、空腹、体温の維持に影響を与えます。

概日リズムの混乱(シフト勤務、長距離旅行、失明を伴う症状、および様々な疾患状態によって引き起こされるもの)は、否定的な健康結果に関連しています。これには、睡眠障害、肥満、メンタルヘルスの問題、その他の慢性的な状態が含まれます。

しかし、あなたのライフスタイルによって、ご自身のリズムを安定に保つことができます。 健康的なライフスタイルへの手がかりはたくさんあります。健康的な生活習慣に焦点を当てた、一貫した毎日の生活習慣を維持することは、リズムを安定させ、最適な健康を達成するのに役立ちます。

 

夜の熟睡に不可欠な概日リズム

概日リズムのコントロールにおける最も重要なこと、すなわち睡眠に焦点を当てましょう。

定期的な睡眠サイクルによる利点は、物理的および精神的なものです。十分で定期的な睡眠は、より良い集中力と協調性を促進します。物理的に、あなたの体は睡眠中に、修復とメンテナンスの多くを行っています。睡眠不足は、体重の増加や免疫機能の損傷といった、より不利な健康結果のリスクにつながります。

あなたは基本的に、現在動いている体内時計の制御により、寝たり起きたりしています。リズムは、あなたが毎日同じ時間に眠くなるのを助けます。そしてまた、朝起きるのを助け、日々の仕事にパワーを与えるようエネルギーのスイッチをオンにします。

日中、あなたの体はメラトニンの産生を抑制します。それは、睡眠ホルモンと呼ばれます。夕方になり、目に光が入らなくなると、メラトニンの生産が始まります。このホルモンはテンションを抑え、眠気を誘い、眠りに落ちるのを助けます。概日リズムはさらに、消化を調整し、夜中のトイレで睡眠を妨げられないようにもしています。そしてまた、体温を低下させることによって、代謝を遅くしています。

これが、ほとんどの睡眠の専門家が、涼しく暗い部屋で眠ることを提唱する理由です。

では、昼寝はどうでしょうか?それは概日リズムにどのようにフィットするのでしょうか?メラトニンによる促進はありませんが、 午後の昼寝はまだあなたの概日リズムに収めることができます。夜の睡眠のように、それはエネルギーと集中力の増加で、あなたをリフレッシュさせます。でも昼寝は短時間(30分以内)にしましょう。長い昼寝は、あなたのいつもの睡眠サイクルを狂わせます。

昼寝は概日リズムに影響を与えないかもしれません。しかし、現代の文化やライフスタイルのいくつかの側面は、あなたの体内時計と戦っています。飛行機は、非常に迅速に、地球と複数のタイムゾーンを横断することができます。これにより、自然なサイクルとは同期しなくなります。これは一般に時差ぼけと呼ばれます。一般的な障害をいくつか紹介します。

 

概日リズムを乱す一般的な4つの原因

1. 体内時計を破壊する薬とアルコール

合法、違法問わず、薬物は、中枢神経系に強い影響を与えます。これはすべてのタイプの概日リズムに影響を与えますが、睡眠リズムが最も明白です。例えば、カフェインは、あなたの通常の睡眠サイクルを妨げたり、遅らせたりできる覚醒剤です。逆にアルコールは眠気を促進します。しかし、それは同時に、深く、安らかな睡眠に入るのを防げます。

薬物の乱用は、概日リズムにとって特に有害です。一回のケースでさえ、睡眠サイクルを混乱させ、そして、さらなる乱用や、中毒につながる可能性があります。また、薬物乱用は、たとえあなたが薬物をやめたとしても、その後にも続くといわれる、長期的な概日リズムへの混乱を引き起こします。

これらの混乱は、処方箋を含むあらゆる種類の薬物によって引き起こされる可能性があります。処方薬の服用をやめるべきではありませんが、医師や薬剤師と相談してください。彼らは薬を飲むタイミングや、必要によっては生活スタイルの変更など健康維持に、そしてあなたのリズムを保つために、助言してくれるでしょう。

2. 毎日のリズムに悪影響な人工照明

あなたの目は、自然光と人工光の違いを気にしないかもしれません。しかし、あなたの概日リズムは光の種類を区別します。あなたの自然な毎日のリズムは、人工光のタイミングや色に応じて、増減されます。

青や紫外線のような短波光は、あなたの生物学的サイクルに特に有害です。これらの波長はメラトニンの生産を阻害します。メラトニンは、あなたの睡眠促進ホルモンであることを覚えておいてください。あなたの家の照明、テレビ、携帯電話、またはコンピュータモニター等は、すべてあなたのメラトニンの生産に悪影響を与える可能性があります。

毎晩就寝の準備ができたら、デジタル画面をオフにすることを検討してください。もう一つの選択肢としては、携帯電話やコンピュータの画面を、暖かい色にし、その青信号出力を減らす「ナイト・モード」設定をすることです。

3. 概日リズム(と健康)に悪い夜勤

残念ながら、これは自分ではどうしようもできないかもしれない混乱要素の一つです。
夜勤は、いくつかの方法であなたの概日リズムを混乱させます。眠るべき時に働き、体が目を覚ましたいとき、そして24時間人工光か日光に囲まれている時に眠らなければならない等。

夜間の仕事でも、健康的な生活習慣のためにできることがいくつかあります。
• スケジュールに固執します。毎日同じ時間に眠り、起きる。
• 暗い睡眠環境を作る。ブラインドや遮光カーテンを使用するか、窓から入る日光を遮断するための工夫をして、ドアの下にタオルを置きます。夜のように感じさせるために必要なことは何でもしてください。
• メラトニンサプリメントを検討します。シフトワークの場合、メラトニンを補うと、体の自然な概日リズムをサポートするのに役立ちます。

4. 時差ぼけ対策として、なるべく現地の時間に合わせる

あなたがいくつかのタイムゾーンを横断したことがあるなら、時差ぼけの感覚を知っていることでしょう。エネルギーがあるのに疲れていたり、または一晩中眠れない等。航空会社のパイロット、フライトクルー、頻繁に飛行機移動する人達すべて、この感覚を知っています。極端なものは、疲労の長期継続によりまったく熟睡できないといったケースもあります。

時差ぼけと戦う最良の方法の1つは、現地のスケジュールに従うことです。あなたはちょうど10時間のフライトが終わり、睡眠の準備ができたかもしれませんが、現地では正午です。目を覚まし続けるために最善を尽くしてください。初日は気ままに過ごすのが良いですが、夜になるまで眠ってはいけません。

逆に、休んでスッキリして到着したものの、時差により、現地は寝る時間になっているケース。これは、いくつかのタイムゾーンを東に移動する場合に発生する可能性が高いです。この場合、フライト日の早い時間に目を覚まし、飛行機の中で寝ることは避けてください。これは、目的地に近い時間へシフトするのに役立ちます。

上記のケースのいずれも、就寝の約1時間前にメラトニンサプリメントを摂ることで、あなたの概日リズムを現地時間にシフトすることができます。* これにより、活力を感じ、現地での予定を実行にうつす準備が整えられます。

 

リズムに乗る

ご覧のとおり、あなたの概日リズムは非常に重要です。しかし、最適な健康を達成することにおいては、とても見落とされています。概日リズムがあなたの生活にどのような影響を与えることができるか、そしてあなたの生活が概日リズムにどのような影響を与えるかを見てきました。可能な限り健康でいられるように、あなたの自然なサイクルを守ることを、できるだけ行いましょう。

*これらのステートメントは米国食品医薬品局によって評価されていません。 この製品は、病気の診断、治療、治癒、予防を目的としたものではありません。

原文: https://askthescientists.com/circadian-rhythms

 

米国本社のUSANA Health Sciences Inc. が米国で提供している栄養製品と、日本のユサナ・ヘルス・サイエンス・ジャパン合同会社が提供している栄養製品では、配合成分が異なります。その主な理由は、各国間によって薬事法や医薬品基準等が異なるためです。

日本国内で販売している栄養製品も、米国本社が販売している製品と同様に、米国の医薬品GMP基準を順守し、且つ、米国食品医薬品局(FDA: Food and Drug Administration)に「医薬品製造施設」として認定された米国本社の自社工場で製品を生産しています。

本記事は、米国本社の情報を翻訳しつつ、日本の読者の皆様に向けて加筆・編集しています。尚、本記事の掲載内容については、ユサナ・ヘルス・サイエンス・ジャパン合同会社に確認をいただいております。

Supervisorこの記事の監修者
医師(泌尿器科・内科) 首藤直樹
医師(泌尿器科・内科) 首藤直樹
医学博士
五反田泌尿器科内科すどうクリニック院長

昭和大学医学部卒業後、NTT東日本関東病院泌尿器科医長などを経て、五反田泌尿器科内科すどうクリニックを開院

患者さんとの対話を大切に、身体・心の健康の支えとなることを心がけている

一人ひとりに丁寧に接することをモットーにしており、温かい人柄は、大きな信頼を得ている