タンパク質とアミノ酸

タンパク質とアミノ酸とは?

わたしたち人間を含むすべての生物は、基本的に水で満たされた、そしてあるものは骨で支えられた、タンパク質でできています。それはとても重要です。 タンパク質はわたしたちの体の最も重要な構成要素なのです。 事実、プロテイン(タンパク質)という言葉はギリシャ語のproteios(プロテオ=最初の品質)、またはprotos(プロト=最初)に由来しています。

人体には200万を超えるタンパク質が存在すると推定されています。 陸上の生物に見られる総数では、1000万を超える可能性があります。 しかし、誰も正確には知りません。 すべてのタンパク質は、分解することができる別のタンパク質を持っているので、その数は膨大なのです。

タンパク質の構成

タンパク質は、生命の基本的な構成要素であるアミノ酸から作られた長鎖の分子です。 それらは非常に特殊な化学構造を持つ有機化合物です。アミノ酸は、 アミン(窒素と2個の水素原子を持つ分子)とカルボキシル(炭素、2個の酸素、1個の水素分子を含む分子)を含む官能基です。 これらは各アミノ酸に特化した、側鎖(R基)分子に結合しています。

わたしたちの体のタンパク質を構成する、よく知られた20種のアミノ酸があります。 最近、2つのアミノ酸が新たに発見されました。 したがって、地球上のすべての動植物タンパク質は、これらの22個のアミノ酸から構成されています。

1806年、フランスの化学者ルイ=ニコラ・ヴォークラン(Louis-Nicolas Vauquelin)とピエール=ジャン・ロビケ(Pierre Jean Robiquet)がアスパラガス中の化合物を単離し、その後アスパラギンと名付けました。 それは最初に発見されたアミノ酸でした。
最も長いことで知られているタンパク質、チチンは、コネクチンとしても知られています。 それは26,926個のアミノ酸を含んでいます。 チチンは筋肉に含まれており、その硬直性に寄与しています。

たとえ少量のアミノ酸で構成されていても、タンパク質は非常に複雑な分子となります。 これは、ほとんどのタンパク質が独特の立体構造に折りたたまれているためです。

生化学者は、しばしばタンパク質の構造の4つの異なる側面を引き合いに出します。

  • 一次構造:ペプチド結合として知られる結合によってまとめられた直鎖状アミノ酸配列。
  • 二次構造:タンパク質の局所的または特定のセグメントの三次元形態。 これらの局所的な部分はねじれであり、水素結合によって安定化している。
  • 三次構造:単一タンパク質分子の全体的な形状。 用語「折り畳み」と同義であり、三次構造はタンパク質の基本機能を統制する。
  • 四次構造:単一のタンパク質複合体として機能する、いくつかのタンパク質分子(ポリペプチド鎖)によって形成される構造。それらは通常タンパク質サブユニットと呼ばれる。

タンパク質機能

タンパク質は、特に筋肉組織においては、建造ブロックと考えることができます。 しかし、タンパク質は体内でもっと多くの重要な機能を果たしています。

それらは、あなたを驚かせるかもしれませんが、 主な役割は以下のとおりです。

酵素とホルモン

細胞内のタンパク質の最もよく知られた役割は、酵素としての働きであり、それは化学反応を引き起こします。 これは食べ物の代謝を促し、細胞エネルギーに変換します。 消化酵素はこのタイプのタンパク質の良い例です。

これらの酵素は、酸化防止剤の形をとることもあります。 セレン含有タンパク質グルタチオンペルオキシダーゼは、体の中で最も重要な抗酸化化合物の一つです。

性腺刺激ホルモンとして知られる性ホルモン、およびインスリンやグルカゴンのような内分泌ホルモンもタンパク質です。

1955年に、インスリンは完全に配列決定された最初のタンパク質になりました。 英国の生化学者フレデリック・サンガー(Frederick Sanger)は、この画期的な研究によりノーベル化学賞を受賞しました。
DNA組換え技術は、バイオテクノロジー会社Genentech社によって1978年に合成「ヒト」インスリンを製造するために適用され、インスリンをバイオテクノロジーによって製造された、最初のヒトタンパク質にしました。

細胞シグナル伝達

多くのタンパク質が、細胞シグナル伝達およびシグナル伝達の過程に関与しています。 インスリンなどのいくつかのタンパク質は、細胞から合成されたシグナルを、離れた組織内の別の細胞に伝達しています。

タンパク質は、シグナル伝達プロセスの両サイドに関与しています。それは、シグナル伝達分子に結合し、生化学的応答を誘導する細胞のレセプターとしても作用します。
抗体は免疫システムにおけるタンパク質成分です。 その主な機能は、体内の異物(抗原)を結合し、それらを破壊の対象とすることです。

構造たんぱく質

これらは生物学的成分に、形状と剛性を与えます。 ほとんどの構造タンパク質は、繊維状です。
コラーゲンとエラスチンは、頑丈で繊維状のタンパク質の良い例です。 それらは両方とも軟骨のような結合組織の重要な構成要素です。 そして、それらは皮膚の構造において、主要な機能を果たします。 タンパク質のケラチンは、髪と爪を形成しています。 動物界におけるケラチンは、羽、ヒズメ、そしていくつかの生き物の殻を形成しています。

最後のカテゴリーは、球状の構造タンパク質です。 それらは、細胞がそれらの形状およびサイズを維持することを可能にする、長くて堅い繊維を形成しています。

その他の機能

タンパク質はまた、細胞接着、成長因子、栄養素の輸送と貯蔵、その他多くの役割を果たします。 ヒトでは、非タンパク質アミノ酸も神経伝達物質または他の分子の前駆体として重要な役割を果たしています。 神経伝達物質は神経間でインパルスを伝達するのを助ける物質です。

  • トリプトファンは、神経伝達物質セロトニンの前駆体で、気分などに関係しています。
  • チロシン(およびその前駆体であるフェニルアラニン)は、ドーパミン、エピネフリン、ノルエピネフリン、およびさまざまな微量アミンの前駆体です。
  • グリシンはポルフィリンとして知られている血中の重要な化合物の前駆体です(例:ヘム)。
  • アルギニンは一酸化窒素の前駆体です。

食事におけるタンパク質とアミノ酸

あなたが食べるタンパク質はそのまま吸収されるわけではありません。鶏の胸肉を食べるとそれと全く同じ種類のタンパク質が体に加わるわけではないのです。 タンパク質は、アミノ酸または小さなペプチドにまで消化分解され、腸で吸収されて血中に運ばれます。

ペプチドはタンパク質よりも小さく、通常50個以下のアミノ酸しか含まれていません。 最も短いペプチドはジペプチドであり、単一のペプチド結合によって結合された2つのアミノ酸から成り立ちます。 ポリペプチドは、長く連続した非分枝鎖ペプチド鎖です。

タンパク質消化は胃から始まります。 酸性環境と胃の酵素ペプシンにより、タンパク質は変性(解明)し始めます。 これにより、膵臓から分泌される消化酵素にアクセスしやすくなります。

他の特定の酵素はさらに大きなペプチドをジペプチドおよびトリペプチド、ならびに遊離アミノ酸に消化分解します。 これらはその後、他の組織が使用するために血液中に放出されます。 消化後、アミノ酸はタンパク質や他の生体分子を合成するために使用されるか、エネルギー源として尿素と二酸化炭素に変換されます。

20種類の標準アミノ酸のうち、9種類は必須アミノ酸と呼ばれています。体は他の化合物から、成長に必要なそれら必須アミノ酸を作ることができません。 なので、それらは食物から得なければなりません。 必須アミノ酸には、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、およびバリンが含まれます。

タンパク質の品質

すべての食物タンパク質があなたの健康にとって、同じ効果があるわけではありません。 科学者たちは、タンパク質の品質がわかる指標を開発しました。以前は、PER(タンパク質効率比)およびBV(生物学的価値)といった品質を測定する方法がありました。 しかし、今日ではめったに使われません。

現在、タンパク質品質を決定する好ましい方法は、タンパク質消化率補正アミノ酸スコア(PDCAAS)として知られています。 PDCAASはあなたのニーズに基づいて、食品タンパク質品質の評価を可能にします。 2〜5歳の子供(最も栄養需要の多い年齢層と見なされる)のアミノ酸必要量(消化率に調節された)に基づいてタンパク質の品質を測定します。

タンパク質品質評価は、PDCAAS法を用いて、特定の食品タンパク質のアミノ酸プロファイルを、標準アミノ酸プロファイルと比較することによって決定されます。 最高得点は1.0です。 このスコアは、タンパク質の消化後に、タンパク質の単位あたり100パーセント以上の必須アミノ酸が得られることを意味します。

タンパク質必要量

日々のタンパク質の必要量は、年齢、体組成、性別、総エネルギー摂取量(カロリー)、トレーニング状況、およびアスリートの運動レベルなど、さまざまな要因の組み合わせによります。

タンパク質摂取の推奨は体重に基づいています。 通常健康な成人の場合、1日のタンパク質推奨量は体重1kgあたり0.8gです。 例えば、68kgで座りがちな、健康な成人女性の場合、それは1日に約55gのタンパク質に相当します。

成人女性の推奨食事許容量(RDA)は、1日46g、成人男性の場合は1日56g、妊娠中および授乳中の女性の場合は1日71gです。 それはある理由のため、推奨事項と一致しません。

微量栄養素のRDAと同じようにそれは、個人の通常の健康と成長に足りうるレベルを提供することを意図しています。 RDAは、基本的な栄養を満たすのに必要最低限の摂取量を示すもので、必ずしも最良または最適な特定量を示すものではありません。

アスリートとプロテイン

スポーツ選手は激しいトレーニングや、スポーツイベントの後の骨格筋や結合組織の修復および再構築のため、食品タンパク質を摂取します。 アスリートは一般的に、1日当たり体重1キログラムごとに少なくとも1.4から2グラムのタンパク質を摂取するべきです。

特定のアミノ酸1種は、特に分岐鎖アミノ酸(BCAA)はアスリートにとって特に重要です。 9つの必須アミノ酸のうち、3つのみがBCAAとして知られています。 そしてそれらは筋肉組織のタンパク質の約35パーセントを占めています。

またこれらのBCAAは、タンパク質分解速度を低下させ、筋肉グリコーゲン消耗を遅らせることによって、有酸素運動中に有益な役割を果たすことが知られています。

3つのBCAAとは、ロイシン、イソロイシン、バリンです。 BCAAは、タンパク質合成および代謝回転、細胞シグナル伝達経路、ならびにグルコース代謝にとって、極めて重要です。 それらはまた、脳内のタンパク質合成、神経伝達物質合成、およびエネルギー産生の役割を担います。

3つのBCAAのうち、タンパク質合成の誘発において、ロイシンが最も重要な役割を果たすと考えられることが、ますます多くの科学文献で示唆されています。

シニア世代のタンパク質

老化は筋肉喪失につながる傾向があります。 正常な老化は、筋肉タンパク質代謝の変化および食事からのアミノ酸に対する反応の低下に関与しています。

食事からの適切なロイシン(BCAA)摂取は、筋肉タンパク質に対する低反応を克服するのに役立ち、過剰な筋肉喪失の予防における、有効なツールとなります。 これらの利点のためのロイシンの最低摂取量は、一食当たり、だいたい2.0〜2.5グラムです。

全品質タンパク質の一部として摂取されるロイシンは、BCAA単独で補給するよりも有益であることが明らかになりつつあります。 高齢者の筋肉タンパク質保持を最大化し、適切なロイシンを提供するために、ほとんどの専門家は食事あたり25-30グラムの高品質タンパク質を含む食事を提案しています。

筋肉の喪失は年齢とともに発生しますが、正常(0.5-1.0%/年)よりも多く失うことは、サルコペニアとして知られています。 それは進行性の骨格筋量の減少で、強度と機能性の低下につながります。 サルコペニアは、60歳以上の30%、80歳以上では50%以上の割合で発生します。

ヴィーガンとベジタリアン

植物性タンパク質はそれ自体から、健康な成長、修復、および筋肉機能を維持するのに十分な品質のタンパク質を摂取することができるのでしょうか? もちろんです。

しかしながら、多くの植物タンパク質は、全ての必須アミノ酸の最適レベルを満たすことはできません。 ヴィーガンやベジタリアンの場合、豆、マメ科植物、ナッツ類、種子など、さまざまな種類の食品を入手することがより重要になります。非常に多様でカロリーが十分にある典型的菜食主義の食事は、多くの上質なタンパク質を提供してくれるでしょう。

総合的な推奨量

利用可能な研究をまとめると、目標とすべき安全で健康的なタンパク質の摂取範囲は、食事の総カロリーのおよそ15〜25パーセントになります。(活動レベルと年齢によって多少調整が入ります。) 平均2,000カロリー摂取する場合、1日当たりのタンパク質は、75〜125グラムに相当します。

食糧源:正しいタンパク質の選び方

脂肪や炭水化物と同じように、タンパク質は主要栄養素です。 それはわたしたちの体が比較的大量に必要とすることを意味します。 しかし、脂肪や炭水化物とは異なり、使用可能なタンパク質は大量には貯蔵されません。

貯蔵されたアミノ酸は絶えず使用されるので、頻繁に補充されなければなりません。 食事からタンパク質が十分に摂取されていない場合、体は筋肉から摂取します。

最高の単体タンパク質源などありません。より良いタンパク質源と考えられるいくつかの食物による、多種多様な食事は、通常十分なタンパク質摂取量を提供してくれます。 そして、質の高い全食品に焦点を当てることは、重要な栄養素やタンパク質の十分な摂取を達成するのにも役立ちます。

タンパク質および他の栄養素含有に基づく、最良のタンパク質供給源は、シーフード、鶏肉、豆、卵、乳製品(ヨーグルト、牛乳、チーズ)、大豆などの豆類、赤身の牛肉、そして豚肉です。 キノア、カボチャの種、そしてピスタチオも優れたタンパク質源です。

タンパク質のニーズを満たすのに苦労している場合、または座って食事をする時間がない場合はどうしたらよいでしょう。 上質な食事代替用のドリンクやプロテインバーなどは、その日のタンパク質摂取量にプラスになります。

タンパク質の事実

  • 健康で充分に水分補給できている限り、高タンパク摂取が健康な腎臓にダメージを与えることはありません。
  • 「完全」と「不完全」という用語は、植物タンパク質に関して誤解を招くようなものです。カロリーが充分であるならば、植物から様々なタンパク質を得ることで、すべての必須アミノ酸を充分に摂ることができます。
  • 炭水化物のように、タンパク質は1グラムあたり約4カロリーのエネルギーを供給します。脂肪は1グラムあたり9カロリーを提供し、アルコールは1グラムあたり7カロリーを提供します。
  • タンパク質は最初に成長と修復に利用されます。余剰分はエネルギーに使用できます。これらの機能に必要のないタンパク質は、脂肪として変換され保存されます。
  • 炭水化物はインスリン分泌を刺激する唯一のものではありません。タンパク質もインスリン分泌を促しますが、それほどではなく、血糖値を上昇させることはありません。
  • タンパク質は脂肪や炭水化物よりも満腹感があります。いくつかの研究によると、適度にタンパク質量を増やすことと、適度にグリセミック・インデックスを減らすことが、健康的な体重への改善と維持につながることが示されています。

原文記事:https://askthescientists.com/qa/protein

翻訳:藤田幸三

 

米国本社のUSANA Health Sciences Inc. が米国で提供している栄養製品と、日本のユサナ・ヘルス・サイエンス・ジャパン合同会社が提供している栄養製品では、配合成分が異なります。その主な理由は、各国間によって薬事法や医薬品基準等が異なるためです。

日本国内で販売している栄養製品も、米国本社が販売している製品と同様に、米国の医薬品GMP基準を順守し、且つ、米国食品医薬品局(FDA: Food and Drug Administration)に「医薬品製造施設」として認定された米国本社の自社工場で製品を生産しています。

本記事は、米国本社の情報を翻訳しつつ、日本の読者の皆様に向けて加筆・編集しています。尚、本記事の掲載内容については、ユサナ・ヘルス・サイエンス・ジャパン合同会社に確認をいただいております。

Supervisorこの記事の監修者
医師(泌尿器科・内科) 首藤直樹
医師(泌尿器科・内科) 首藤直樹
医学博士
五反田みんなのクリニック院長

昭和大学医学部卒業後、NTT東日本関東病院泌尿器科医長などを経て、五反田みんなのクリニックを開院

患者さんとの対話を大切に、身体・心の健康の支えとなることを心がけている

一人ひとりに丁寧に接することをモットーにしており、温かい人柄は、大きな信頼を得ている