ミトコンドリアが作り出す
エネルギーのATP
(アデノシン三リン酸)。
ATPの働きは意外な
モノに似ています。
私たちの身近にある
その意外なモノとは?
あまり知られていない
ATPの働きについて
簡単に解説します。
ATPはエネルギーじゃない?
ミトコンドリアはATPという
エネルギーを作り出す
働きをしています。
しかし、実はちょっと違うんです。
なにが違うのかというと
「エネルギーのATP」という点。
正確に言うとATP自体は、
エネルギーそのものではありません。
例えば花火などの「火薬」を
思い浮かべてみてください。
火薬はエネルギーそのものではなく
火をつけることでエネルギーを
発しますよね。
ATPも火薬のような
エネルギーを放出する物質です。
変化して働くATP
私たちの体の中で使われている
エネルギーには
色々な形があります。
●細胞の中で必要な物質を
作るためのエネルギー
●細胞の壊れたところを
直すためのエネルギー
●力を出したり
体温を上げるためのエネルギー
●細菌やウイルスなどの外敵と
戦うためのエネルギー
●考えたり記憶するためのエネルギー
など身体の部位によって
必要なエネルギーの形が違うんです。
ATPは、どんな形のエネルギーにも
変換できる優れもの。
身体の各部位に必要な形の
エネルギーに変化して働きます。
したがって各々の細胞で作られたATPは、
その細胞内だけで使われます。
ATPの欠点とは?
あらゆるエネルギーに変換できるATPは
エネルギーの通貨と呼ばれています。
何をするにしても必要で
どんなものとでも
交換できるお金。
そんなお金とよく似た
働きをするATPですが
お金と違い大きな欠点が。
その欠点とは、
お金は貯めておいて
必要な時に使うことができますが、
ATPは作られてから
すぐに消費されてしまいます。
ATPが作られてから
消費されるまでの時間は
わずか1分ほど。
そのため必要な量のエネルギーを
即座に供給するために、
ミトコンドリアは筋肉や神経など
エネルギーをたくさん使う細胞に
多く存在しています。
そして、24時間休み無くATPを
作り続けてくれているのです。
ATPが足らなくなると…
ATPが絶え間なく使われ続けることで
身体の機能は止まることがなく
私たちの命は保たれています。
ATPが足らなくなると
細胞の働きは鈍くなってしまいます。
つまり、身体の機能が
どんどん低下するということ。
残念なことにミトコンドリアは、
身体にとって必要な量のATPしか
生産してくれません。
休んでばかりいるとミトコンドリアは
「エネルギーはあんまり必要ない」
と勝手に判断。
ミトコンドリアの働きが弱くなり
数も減らしてしまいます。
ミトコンドリアの数が減ると
ATPを作る能力が弱くなり
身体の機能はどんどん低下。
疲れやすくなるからまた休み
ミトコンドリアがまた弱る。
それが不健康の悪循環の始まりであり
あらゆる病気の原因にもなります。
私たちが健康を維持するためには
たくさんのATPが必要です。
不健康の悪循環に陥らないために
元気なミトコンドリアの量を増やし
ATPをたくさん作ってもらいましょう。
まとめ
1:ATPはエネルギーそのものではなくエネルギーを放出する物質 2:ATPは身体の各部位に必要な形のエネルギーに変化して働く 3:ATPが絶え間なく使われ続けていることで命が保たれている 4:ミトコンドリアは身体にとって必要な量のATPしか生産しない 5:健康を維持するためにはたくさんのATPが必要 |