解毒系の臓器には食物繊維が不可欠

わたしたちは実のところ、食べたものでできています。特に内臓は。 食品は、わたしたちのマイクロバイオームを決定する大きな要因です。 マイクロバイオームとは、バクテリア、真菌、酵母等、わたしたちの消化管に住んでいる微生物の集まりです。

しかし、わたしたちが何を食べるかによって、おなかにいる微生物へのインパクトが変わります。

Advances in Nutritionに掲載された新しい記事によると、ある方法によって、食物繊維(多様な難消化性炭水化物)が肝臓や腎臓に影響を与える可能性に取り組んでいます。 食物繊維が人間の健康に役立つことはよく知られています。 しかし150以上におよぶ研究のレビューには、食物繊維が解毒器官へ影響していることが要約されています。

 

どのように食物繊維がインパクトを与えているのか

そのプロセスは食物繊維が有益な微生物の成長を促すことから始まります。そして、それら腸内細菌は次のような役割を果たすようになります。

  • 腸内バリア機能
  • 消化器官の免疫機能
  • 内分泌(ホルモン)反応
  • 窒素代謝
  • 腸、肝臓、腎臓間のシグナル伝達機能

腸内でのこれらの活動は、肝臓や腎臓にも良い影響を与えます。 これはまったく理にかなっています。 わたしたちの腸は、門脈を通してこれらの臓器に血液を供給しています。 そのため、微生物の活動や食事の変化は、肝臓や腎臓にも影響を与えることになります。

例えば、強化された腸内バリア機能は、炎症を引き起こすバクテリアの蔓延から、主要な解毒器官を守ります。 これにより、肝臓と腎臓が、代謝と解毒に集中できるようになります。

 

肝臓にとっての更なる朗報

食物繊維は、肝臓の抗酸化酵素と解毒酵素の活性を高めることが証明されています。 それは胆汁酸の量を変えることができます。 胆汁酸は、肝臓の代謝と、脂肪や脂溶性ビタミンの吸収に関与しています。 また、食物繊維は二次胆汁酸の生成を助ける微生物もサポートしています。

驚くべき発見は、食物繊維と体の脂肪燃焼状態(ケトン症)との関連です。 これは遺伝子発現パターンおよび、代謝産物の変化によって達成されます。 この新しいパターンは、体が断食状態の時と似ています。 それは、体に蓄えられた脂肪をエネルギーとして燃焼しているときです。

 

腎臓のことも忘れないで

窒素は腎臓と食物繊維についての調査結果の中心です。

腸内細菌が食物繊維を摂取すると、腸の窒素含有量が増加します。 腸では、窒素が微生物の肥料となります。 したがって、マイクロバイオームは生産された窒素をより多く使用することになり、窒素ガスが必要以上に門脈から解毒器官に流出するのを防ぎます。 腎臓の窒素負荷を減らすことは重要です。

また食物繊維は、腎臓から他の潜在的なストレスを遮断します。 結腸内で十分な繊維発酵がないと、他の物質が発酵する可能性があります。 アミノ酸のようなものが発酵すると、腎臓にストレスを与える有害な物質を作り出してしまいます。 結腸には、腎臓のために食物繊維を補っておいてください。

 

繊維をあげて

食物繊維は健康を維持する上で、重要な役割を果たしています。 そして、ほとんどの人がそれを十分に理解できていないのは明らかです。 実際、2015年の食事ガイドライン諮問委員会は、繊維を懸念のある栄養素に指定しました。

繊維質摂取量の減少は、目新しいことではありません。 それは産業革命以来減り続けているのです。 そしてそれに続くのは、私たちの腸内細菌の多様性の減少です。

おそらく食物繊維は、クールでヒップなものにはなりえないでしょう。 しかし、それは年配者だけのためのものではありません。 誰もが自分のデトックス器官を助けることができるのです。 研究では、自分自身が肝臓と腎臓の健康を保護するのを手伝うことができ、そしてこれらの器官が行う、重要な解毒機能をサポートすることができることが示されています。 それに必要なのは、ご自身の腸のテナントである微生物たちに、食物繊維を与えてあげることだけです。

 

原文記事: https://askthescientists.com/qa/dietary-fiber-and-detox-organs/

 

翻訳:藤田幸三

 

米国本社のUSANA Health Sciences Inc. が米国で提供している栄養製品と、日本のユサナ・ヘルス・サイエンス・ジャパン合同会社が提供している栄養製品では、配合成分が異なります。その主な理由は、各国間によって薬事法や医薬品基準等が異なるためです。

日本国内で販売している栄養製品も、米国本社が販売している製品と同様に、米国の医薬品GMP基準を順守し、且つ、米国食品医薬品局(FDA: Food and Drug Administration)に「医薬品製造施設」として認定された米国本社の自社工場で製品を生産しています。

本記事は、米国本社の情報を翻訳しつつ、日本の読者の皆様に向けて加筆・編集しています。尚、本記事の掲載内容については、ユサナ・ヘルス・サイエンス・ジャパン合同会社に確認をいただいております。

Supervisorこの記事の監修者
医師(泌尿器科・内科) 首藤直樹
医師(泌尿器科・内科) 首藤直樹
医学博士
五反田泌尿器科内科すどうクリニック院長

昭和大学医学部卒業後、NTT東日本関東病院泌尿器科医長などを経て、五反田泌尿器科内科すどうクリニックを開院

患者さんとの対話を大切に、身体・心の健康の支えとなることを心がけている

一人ひとりに丁寧に接することをモットーにしており、温かい人柄は、大きな信頼を得ている