炭水化物と糖と繊維質について

脂肪タンパク質を含む3つの主要栄養素はすべてエネルギーとなります。 しかし、炭水化物は体の直接的なエネルギー源です。 それらは毎日の活動を通して、そして、軽い運動から中程度の運動の燃料となります。 それらは、日々の活動、タンパク質の生合成、脳機能等における好ましい燃料源です。 消化性炭水化物1グラムあたりのカロリーは、約4カロリー(16.8ジュール/グラム)です。

炭水化物は幅広い食品に含まれています。炭水化物ダイエットを試したことのある人なら誰でも知っています。 しかし炭水化物は「悪」ではありません。 エネルギーを供給することに加えて、炭水化物のいくつかは、健康的な供給源として、体により良い栄養素が豊富です。 それらは、大量の繊維(有益な種類の複雑な炭水化物)、ビタミン、ミネラル、および植物栄養素を含んでいます。

食べる炭水化物の種類によっては注意が必要です。 すべての選択肢が同じように有益なわけではありません。 多くの加工食品は、他の栄養素をほとんど含まない、大量の炭水化物でできています。それによってカロリーは補充できても、充分な栄養は補給できないのです。

炭水化物の種類-ただの糖なわけではない

炭水化物は、炭素、水素、および酸素原子でできた化学物質です。 それらは通常、ポリマー(大きな分子の学名)の長さによって分類されます。

単なる砂糖のポリマーは短く、1〜2のユニットで構成されています。 オリゴ糖(Oligosaccharides)は長く複雑な名前を持っていますが、3〜10のユニットで、炭水化物の中では真ん中です。 多糖類は、多少事情が複雑になるところですが、10以上のユニットで構成されています。

皆が知っている砂糖とは

 

ブドウ糖と果糖は、良く知られている2つの単純な糖です。 なぜ単純かというと、それらは1つの糖ポリマーしか含まないからです。よって、それらは単糖と呼ばれます。 他の単糖類には、ガラクトース、キシロース、マンノースなどがあります。 単糖類は食品中、またはより大きい炭水化物の構成要素として含まれています。

二糖類は、その名の通り二つの単糖類から形成されます。 スクロースとラクトースは、二糖類と見なされる2つの一般的な糖です。 スクロースは、1つのグルコース分子と1つのフルクトース分子でできています。 乳糖は、牛乳に含まれる糖分で、グルコースとガラクトースの分子でできています。

糖分は人間の味覚における「甘さ」の量で異なります。 フルクトースはスクロース(食卓用砂糖)の約1.5倍甘いのに対し、ラクトース(ミルク中の糖分)はスクロースの1/8の甘さです。 人工的に調整された二糖類であるスクラロースは、スクロースよりも600倍の甘さです。

 

オリゴ糖

オリゴ糖は中程度の長さの炭水化物(3〜9ユニット)です。 それらはエネルギーと繊維質を提供してくれます。 マルトデキストリンは一般的に食べられているオリゴ糖です。 それは3~17個のグルコース・ユニットでできています。 単糖類の結合は、マルトデキストリンが急速に分解されて体に吸収されることを意味します。

オリゴ糖は、タンパク質や脂肪と結合するために体内で使用されます。 そしてその結合されたものは、健康な免疫応答、細胞膜、細胞シグナル伝達皮膚などにおいて、重要な役割を果たすことになります。

多くのエネルギーを蓄積する多糖類

多糖類はエネルギーの原動力です。 それらはさまざまな長さの単糖の長い鎖で作られています。 それらは10ユニットほど短くすることも、10,000超ユニットまで大きくすることもできます。

澱粉(でんぷん)は植物がエネルギー貯蔵のために使用する多糖類の一種です。 じゃがいも、米、小麦、その他の穀物は高澱粉食品です。 単糖やマルトデキストリンのように、澱粉はすぐに消化され、あなたの体のエネルギーに使われます。

植物はエネルギー貯蔵に澱粉を使用しますが、人間はグリコーゲンと呼ばれる分子を使用します。 この多糖は、食べた糖から体内で作り出されます。 グリコーゲンは肝臓に大量に存在し、全身にエネルギーを供給します。

ファイバーは複雑で有益な炭水化物

異なる種類のファイバー(繊維)も、その長さによって分類されます。 そして他の糖類のように、その長さでそれらをオリゴ糖や多糖に分類します。 他の炭水化物とファイバーが違うのは、それが体内で完全に分解されることができないということです。 これは潜在的な健康上の利益を、いくつか提供してくれることになります。

ファイバーは健康的な体重維持の役割を果たします。 ファイバーは完全に分解されないため、このタイプの炭水化物から得るエネルギーは制限されます。 また、ファイバーは、満腹感の持続により、体重コントロールにも役立ちます。

不溶性繊維は、セルロースやキチンのような分子でできています。それが含まれている食べ物は、穀物、フルーツ、そして野菜です。 その名の通り、不溶性繊維は体に吸収されません。 しかし、何の助けにもならないという意味ではありません。 それは、消化管を通過する際、腸内細菌のえさとなり、消化管の健康を維持する役割を果たします。

可溶性繊維は規則性の促進を助け、コレステロールと結合します。 これは、心臓の健康のサポートになります。フルーツの皮、オートミール、オオバコ、イヌリンに、可溶性繊維は含まれています。

食糧源

炭水化物が最も多い食品は、パン、パスタ、米、シリアル、果物、野菜、スイーツなどのお菓子があります。 何を食べるかを選択するときは、その食材にどんな栄養素が含まれているかを考慮することが重要です。 炭水化物の主な役割はエネルギーを提供することですが、食品における選択が、あなたの栄養状態と健康にとって、想像以上に大きな影響を及ぼす可能性があります。

フルーツや野菜は、ビタミン、ミネラル、および植物栄養素が豊富です。 例えば、バナナ(118g)は約27グラムの炭水化物を供給し、そのうちの3グラムはファイバーです。 さらに、400mg以上のカリウム、400mgのビタミンB6、そして、マンガン、葉酸塩、ビタミンC、および他の栄養素もいくつか含んでいます。 お菓子と比べてみてください。 お菓子やペストリーと、炭水化物の量が同じだったとしても、フルーツや野菜と同じような栄養素は摂取できません。

フルーツと野菜vsお菓子の選択であれば、答えは簡単です。 穀物製品からの選択は、ちょっと難しいかもしれません。 多くの穀物製品は栄養が強化(ビタミンやミネラルの追加)されていますが、全粒穀物(ホールグレイン)製品は依然として大きな利点を提供できます。 全粒穀物は、より繊維質が多く、また、ビタミンB、およびセレン、カリウム、マグネシウム等のミネラルを含んでいます。

食材選びは賢明に

私たちは、日常生活を送るために炭水化物を食べる必要があります。 これらの食品を選ぶとき、ご自身に次の二つ質問をしてください。 どれくらいのエネルギーが必要か、そしてどの食品が最も微量栄養素を供給しえるか。

スポーツやエクササイズなどの身体活動は、エネルギー密度の高い炭水化物であるジュースやエナジードリンク、または単に炭水化物でできた食べ物を食べるための十分な理由があります。 それは、分解しやすく、すぐに利用できるエネルギーを生成できるからです。

デスクワークなど、座りがちな生活環境では、野菜や全粒穀物による栄養補給が可能です。 それらに含まれる繊維質と食品の量により、満腹感を満たしつつ、適度なエネルギーを提供してくれます。

炭水化物によるエネルギー補給がすべてではありません。 体は微量栄養素も必要としています。 それらを得るための一つの方法は、主に果物や野菜を中心に、様々な食材を食べることです。 胃のスペースは限られています。そしてわたしたちは、それらの食材が栄養豊富であるかどうかを判断し、選択することができるのです。

原文:https://askthescientists.com/qa/carbohydrates

Supervisorこの記事の監修者
医師(泌尿器科・内科) 首藤直樹
医師(泌尿器科・内科) 首藤直樹
医学博士
五反田泌尿器科内科すどうクリニック院長

昭和大学医学部卒業後、NTT東日本関東病院泌尿器科医長などを経て、五反田泌尿器科内科すどうクリニックを開院

患者さんとの対話を大切に、身体・心の健康の支えとなることを心がけている

一人ひとりに丁寧に接することをモットーにしており、温かい人柄は、大きな信頼を得ている

 

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本記事は、米国本社の情報を翻訳しつつ、日本の読者の皆様に向けて加筆・編集しています。尚、本記事の掲載内容については、ユサナ・ヘルス・サイエンス・ジャパン合同会社に確認をいただいております。